仕事特性、仕事のやり方に難あり

仕事の進め方(業務標準化等)、仕事量の偏り(部署・時期)、顧客都合の業務による調整難、人材不足といった課題があります。自社の課題に近い課題がないかチェックしてみましょう。

仕事の進め方

  • 業務が標準化されていない

    • 具体的課題1

      繁忙期に外部人材を雇用しても業務内容の説明に労力がかかり、うまく活用できない。

    • 具体的課題2

      他の社員が業務を代替しにくく、休暇中に他の社員が顧客等をフォローできる体制が構築されていない。

  • 業務(時間)の無駄、重複が多い

    • 具体的課題1

      決裁等に手間をかけすぎる部分がある。

    • 具体的課題2

      退職や人事異動、育児休暇取得時など、業務の引継ぎに時間をとられ、負荷がかかることが残業の増加要因の一つとなっている。

    • 具体的課題3

      日中は社外で業務を行い、事務処理等のために会社に戻る必要がある。

    • 具体的課題4

      工事系業務に従事している社員は、日中は現場、夕方から事務処理を行うため、特に長時間労働が常態化している。

  • アウトプットの品質を過剰に追求する

    • 具体的課題1

      職人気質で効率よく仕事を行うことがあまり得意ではなく、時間効率性の意識の低い社員が多い。

    • 具体的課題2

      企画業務に関しては、成果物の質の水準が明確でないものもあり、残業を増やす要因となっている。

    • 具体的課題3

      社内向け説明資料について、必要以上に質の高い資料を作成するために、手間がかかっている。

  • 必要ではないメール、会議が多い、会議が効果的に行われていない

    • 具体的課題1

      長時間働くことを良しとする文化はないが、ミーティングやメールが多い(減らない)ことがネックとなっている。

    • 具体的課題2

      会議で意見が出ず、会議の機能を果たしていない。

  • 優先的な業務の仕分けができていない

    • 具体的課題1

      業務を受注する段階で、厳密な採算性の確保と受注判断を行っているものの、十分ではないため、より付加価値の高い業務に人的資源投入を集中させることができていない。

  • シフト制のため一日単位の休みが取りづらい

    • 具体的課題1

      製造現場においてはチームでシフトを組んで稼動しているため、(一日単位の)年次有給休暇が取りづらい。

  • 営業目標の設定期間が短い

    • 具体的課題1

      営業目標の設定期間(個人×日単位、週単位)が短いため、休みが取りづらい。

  • IT化(効率化)に対する忌避感がある

    • 具体的課題1

      業務効率化のためにIT機器を導入したいが、IT機器に対する忌避感が強い社員が多く導入が難しい。

  • 事業の進め方が非効率で、働き方に影響を及ぼしている

    • 具体的課題1

      店舗の営業時間について、ニーズに関係なく、従前からの慣行で、長く設定している。

    • 具体的課題2

      拡大中の事業(店舗数拡大や営業日増・営業時間の延長)において、社員は本来の担当業務以外の業務も対応せねばならず、多忙となる。

仕事量の偏り(部署、時期)

  • 特定の部署・社員に仕事が集中している

    • 具体的課題1

      特定部門において、年間を通じて業務多忙となっている。

    • 具体的課題2

      特定の研究員に業務が集中している。

    • 具体的課題3

      社員各人の業務負荷が把握できていない。

    • 具体的課題4

      月の所定外労働60時間以上の社員の上司に、長時間労働是正のための改善報告書を作成・提出させ、役員が確認するルールを設けているが、その後の改善状況のフォローはなく、60時間以上のリストに挙げられている社員は常連化している。

    • 具体的課題5

      店舗において、責任者であるリーダーの業務が多岐にわたることが長時間労働を招いている。このようなリーダー業務の現状から、女性社員がリーダーへの登用を拒むようになっており、女性社員の登用が進まない。

    • 具体的課題6

      部署・事業所によって、所定外労働時間数や年次有給休暇の取得状況に差が見られる。

  • 周囲の社員が業務を代替しにくい

    • 具体的課題1

      知識やスキルの違いから、職場内で特定社員の仕事を分担できない状況が発生し、仕事が属人化している。

    • 具体的課題2

      担当者ごとに取扱う品目が決まっており、担当者がいないと業務が進まない。作業に使用するシステムについても、担当者のコードでシステムに入らないと作業処理できない仕組みになっている。

    • 具体的課題3

      担当者と顧客の関係が長期にわたっているため、外出などの際に、別の社員がフォローすることが難しい。

    • 具体的課題4

      全社的に「自分の持っている業務を他人に頼む」という考えが根付いておらず、個人で抱え込みがちであるため、部署や会社全体で効率的に業務を進める体制になっていない。

    • 具体的課題5

      業務日誌・営業日誌の作成ルールが存在せず、業務記録を作る社員はいるが、それらの情報は共有できていないため、他の社員の仕事を代替できない。

    • 具体的課題6

      店長が金銭管理に伴う事業所の施錠管理を行うため、部下が全員退社するまで退社できず、長時間労働となっている。

  • 部署により繁忙期が異なる

    • 具体的課題1

      「A部署」と「B部署」では繁忙期がずれている。

    • 具体的課題2

      職種、専門性等によって働き方が異なるが、一律で通常の労働時間制度を導入している。

  • 業務の繁閑に対応した労働時間制度を導入していない

    • 具体的課題1

      繁忙期中に休日出勤の代休を取得できない。閑散期に代休取得を促すが、取得した月の賃金が減少するため取得を嫌がり、疲労が蓄積してしまう。

    • 具体的課題2

      繁忙期にイベント等により、所定休日である土・日曜日の出勤が発生するが、代休の取得が十分でない。また、閑散期が部署ごとに存在するが、その時期に休みを取得しやすくするための実効性の高い取組はなく、労働時間の削減が図れない。

    • 具体的課題3

      夏季や年末年始等の特別休暇がない。

  • 中間管理職が「プレイングマネージャー」になっている

    • 具体的課題1

      課長の役割として、「受注業務の納期を守ること」と「36協定を守ること」の両立が求められており、その結果、課長がプレイングマネージャー(部下が残業しないよう、仕事を引き受ける)になっており、「生産性向上」を考える十分な時間が取れない。

顧客都合の業務が多く、調整が難しい

  • 顧客の要求に即時に対応する必要があり、業務量をコントロールするのが難しい

    • 具体的課題1

      自社も取引先も、これまで年次有給休暇の取得を考慮しながら業務を遂行する組織風土がなく、年次有給休暇の取得を考慮した業務の進め方ができていない。

    • 具体的課題2

      事前の予想が難しい急な発注対応によって過重労働が発生しており、安全面及び健康管理面の観点から、確実に休むことができる仕組みを作ることが必要と考えられる。

    • 具体的課題3

      客先常駐の社員に関して、不慮の不具合が発生した場合に残業となることが多く、その際に、顧客の社員が残業しているのに自社の社員だけ残業しないということもできない。また、顧客の仕様変更が少なくないこと、要求レベルが高いことが、業務負荷の要因となっている。

人材不足

  • 全社的に社員が少なく、一人あたりの業務量が多い

    • 具体的課題1

      いわゆる「3K」に近い印象を持たれやすい職場であることから、働き方や就労環境の面で求職者から敬遠されている可能性がある。

    • 具体的課題2

      人員不足や社員高齢化等により、会社としての将来に不安を抱き、高齢者再雇用の上限年齢を延長する等対応しているが、いずれは運転手の人員確保が難しいことが予想される。

    • 具体的課題3

      人が足りないため休みが取りづらく、プロジェクトが終わってもすぐに次のプロジェクトに投入される。

    • 具体的課題4

      公休(所定休日)は休めているが、年次有給休暇は主に急な病気休暇等でしか休めない。

    • 具体的課題5

      現状、年初に立てた計画に基づく休暇以外の休暇は取得しにくい。

    • 具体的課題6

      ノルマ達成に追われており、時間あたりの成約率を高めるための工夫がされていない。

  • 一部の部署・店舗の社員が少なく、一人あたりの業務量が多い

    • 具体的課題1

      小型店舗では所属の社員数が少ないため、一人当たりの業務量が多くなり、所定外労働が発生する。