田代珈琲株式会社

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

田代珈琲株式会社
企業名
田代珈琲株式会社
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所在地
大阪府
社員数
13名
業種
卸売業,小売業
事業内容
スペシャルティコーヒーの製造、販売ならびにカフェ関連事業経営に至るまでのコーヒーに関する総合企業

働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い

「働きがいのある職場、働きやすい職場」を実践し、お客様に対して満足と感動を提供できる社員を育成することを目的とするとともに、時間あたりの付加価値額を正確に知り、生産性向上につなげるため、働き方・休み方改革に取り組んだ。
取組の推進にあたっては、社長が主導して取組の立案やルール化に取り組んだ。また、取組を行ううえでは、仕事の能力差等での差をつけることなく、例外なしの措置とすることで、平等と公平の概念を社内に根付かせることを重視した。

主な取組内容

働きがいのある職場つくり

○社員を成長させる仕組みつくり
田代珈琲で「なんのために働くのか」を問い続けること基本に自社の経営理念・企業ビジョン、経営方針を理解し、その実現のために必要な知識と技術を明確にして社員一人一人のキャリアビジョンを立案していく時間を確保する。

○社員の継続的な成長を支援する仕組み
3か月に一度、「成長支援シート」と「成長会議」により社員の成長を確認し目標設定の確認を行う。成長支援シートは会社が求める期待成果とプロセスが明示されている。これに基づき社員が自己評価しマネジャーが評価を行う。
ステップアップ制度として、管理職・中堅職・一般職を9つの等級に分け、長期的キャリア目標設定が可能となっている。9つの等級は社内の身分ではなく「業務の役割」であることの意識づけ教育を行っている。

働きやすい職場環境づくり

○朝礼の廃止、完全8時間勤務のシフト制導入、シフトは7時間45分。
具体的には、午前8時半の朝礼を廃止し完全8時間勤務のシフトに移行した。平日営業時間は午前9時から午後7時であり、シフト出社時間は午前7時から終業は午後7時半である。朝礼廃止によりシフト時間に出社すればよくなったため手待ち時間が減少した。コミュニケーション改善として、打ち合わせ会議を必要の都度開催するほかSNSでの連絡も密にした。

○業務の計画設定による残業削減
残業をなくすため、毎日の仕事に取り組むにあたり、「今日の顧客への仕事」と「未来の顧客への仕事」を明確に分類し、計画を立てたうえで仕事を実施することを徹底している。

○年次有給休暇の取得促進
シフト作成時に週休2日を先に計画し社員の休日計画を立てやすいように配慮した。これにより社員の年2回の連続休暇(有給5日休日5日)の年休の計画取得を促進した。
また、採用内定者研修、新入社員研修及び4か月サイクルの業務研修等により従業員の「多能工化」を進め、休暇を取得しやすい環境を作っている。具体的には、各従業員が販売、マネジメント、マーケティング等、多様な業務に対応できるよう人材育成を実施している。

○短時間勤務
育児中の従業員が働きやすくなるように「短時間勤務」を認めている。例えば女性マネジャーが産後復帰時に1日4時間・週3日の短時間勤務を小学1年に上がる4月まで継続した。

○人事評価の活用
「人事評価」の仕組みを整え「処遇に反映」することで従業員の「成長とモチベーション向上」を目指している。

IT活用による業務効率化

クラウド型のSNSツールを利用し、徹底的に情報を共有することにより、ムリ・ムラ・ムダを排除している。導入にあたっては、クラウド型のマニュアルを導入した。各タスクの標準時間を設定し、チェックしながら作業を進めることで、教育や引継ぎを効率化した。これにより、一度のOJTで標準的な業務を誰でも同じようにこなせるようになった。
また、時間外におけるSNSの運用から見えない時間外労働が発生していたため、これを禁止した。
さらに、百貨店売り場から本社のネットワークにアクセスし、本社業務ができる環境を構築した。

取組の成果・展望

取組の成果

所定外労働時間について、2019年は月平均10時間であったが、2021年は0時間となっている。また、年次有給休暇の取得率について、2019年は年間平均取得日数が5日、取得率が25%であったが、2021年はそれぞれ10日・50%と改善している。
2022年については婚姻に関する特別休暇、コロナ罹患から回復困難な社員に対しても特別休暇で対応し、社員の日常生活を優先する考えにおいて臨機応変に対応した。また、取組を通じて生産性が向上したほか、適正人員の把握にもつながった。社員にとっても、仕事への主体性を高めるという効果がみられるとともに、有能な人材の定着が向上した。さらに、労働分配率を下げ、一人当たりの給与増額も実現できた。
また、クラウド型のSNSツールの導入により、各自の仕事がオープン化し、共有化されることで、休暇中の社員への連絡等が不要となり、年次有給休暇の取得しやすさにつながった。

働き方・休み方改善指標の活用

1.方針・目標の明確化:ホームページ上で「働き続ける」という持続可能性を追求すると宣言している。質の高いコミュニケーション、社員が納得する労働時間及び生産性を高めることで職場環境の整備を行うと表明し、SNSの活用、シフト組の工夫などにより「やらされ感」のない働きかたを実現している。
2.改善促進の制度化:勤務間インターバル、業務繁閑に応じての営業日設定、記念日休暇、年休の計画的付与、5営業日以上の連続休暇制度などがある。
3.改善促進のルール化:残業の多い部下を持つ管理職への指導、人事考課への反映がある。「成長シート」により評価を行い会社の期待と実績を確認する。また残業手続きの厳格化を行っている。
4.意識改善:長時間労働削減や年次有給休暇取得促進の研修を行っている。
田代珈琲の社員研修の考え方は「社員の成長は会社の成長」にある。
研修例:内定者研修・新人研修・4か月サイクルの部門別業務研修。自ら考え、自ら行動する自立社員を育成する
5.仕事の進め方改善:休暇・休業時のフォローアップ体制を構築している。 例:午前8時半の朝礼を廃止しシフト社員の手待ち時間を削減した。

今後の展望

法律以上の改革を進め、業界水準以上の処遇環境の実現を目指し、他社より優秀な人材を確保していく。

(R5.3)

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