株式会社LIXIL

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

株式会社LIXIL
企業名
株式会社LIXIL
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所在地
東京都
社員数
75,000人(連結・正社員。海外グループ企業2万人含む)。単体・正社員は16,000人)
業種
製造業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・労働時間制度:
【本社管理部門、営業部門、工場間接部門】
・1日あたりの所定労働時間は7時間50分とし、コアタイム無しのフレックスタイム制を適用している。
・フレキシブルタイムは、原則5時~22時。ただし海外との会議等、必要がある場合は深夜時間帯の勤務も認めている。
【その他部門】
・工場など、時期によって繁閑が大きい部門では、1年単位の変形労働時間制を適用している。

■休暇関連
・年間所定休日数:約125日
・時間単位の年次有給休暇の取得が可能。
・「ゆとり休暇」:連続5日間(有給3日間・会社休日等との連続取得可)の年次有給休暇の取得を推奨
・「メモリアル休暇」:年2日、自身や家族の記念日等に年次有給休暇を取得する制度
・「永年勤続休暇」:勤続10年、20年、30年のタイミングで特別休暇を付与

新しい働き方として新規に開始した取組

1 新しい働き方として新規に開始した取組

・新型コロナウイルス感染症の流行以前から、在宅勤務制度を導入していた。また、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、テレワーク・デイズにも参加し、全社的に在宅勤務の利用を推進した。在宅勤務の利用拡充を図る中で、新型コロナウイルス感染症の流行に直面した。
・2020年春の緊急事態宣言時には、出社の判断基準となる全社共通のガイドラインを定めた。ガイドラインでは、出社率を4割に制限すること、向かい合った座席の利用は避けること、会議室は定員の半分以下の利用に留めること等を示した。
・また、既存の在宅勤務に関する規定や、社内ルールは柔軟化して対応した。既存の制度をベースに、社内書類の捺印など緊急度が低いものの見直しや、書類のペーパーレス化推進等の取組を行った。
・さらに、これまで想定していなかった規模で在宅勤務を実施することとなり、サーバーへの負荷も増えた。情報通信機器等のインフラ関係、セキュリティ面等は、社内のIT部門が中心になって対応を進めた。
・社員がオフィスに出社するかどうかは、緊急事態宣言の発表以降2020年12月現在まで、各部門のマネジャーの責任で決定している。出社しなければならない業務の社員については指名制で出社してもらい、それ以外の社員は原則在宅勤務としている。
・外勤を伴う部門では、メンバーの外出予定をスケジュール表で毎月共有している。外出率が高い場合は、オンライン会議で代替する等の方法を検討しつつ、外出するメンバーの調整を行っている。
・こうした方法により、本社の出社率は緊急事態宣言中で1%程度、2020年12月現在も10%程度まで抑えられている。上長の指名制で出社していることに加え、在宅勤務の必要に迫られる中で働き方の見直しを進め、社員の間でもできるだけリモートで対応しようという意識が根付いたため、こうした成果に結びついているのだと考える。
・全国一斉の休園・休校措置が取られた際は、子どもがいる社員で出社が困難な場合は、特別休暇を上限日数なく取得することを認めた(賃金保障)。
・また、社員への慰労金という形で、一律に5万円を支給した。

新しい働き方を推進する背景や目指すこと

1 背景・理由

・当社は2011年に5社が合併して設立された。国内外含め、多様なバックグラウンドを持つ社員がいるため、ダイバーシティやSDGsを掲げ、多様な人材が活躍できる環境を整備する必要があった。
・また、5社が合併し、働き方に関する制度を統一するにあたっては、労使間での話し合いや、社員同士の話し合いの場を設けてきた。会社として働き方改善の取組を進めつつ、社員にも自らの働き方について考えてもらうという、トップダウンとボトムアップの両輪で取組を進める企業文化があった。
・新型コロナウイルス感染症の影響による在宅勤務の拡大・柔軟化は、急速な動きではあったが、従来から進めていた働き方改善、在宅勤務の利用拡充の流れに沿うものでもあった。実際に取り組んでみると、社員もリモートで仕事をすることにメリットを感じており、新型コロナウイルス感染症を機に見直した新たな働き方を、今後も推進していこうと考えている。

2 新しい働き方により目指すこと(事業展開、人材育成など)

・テレワーク制度は、従来は本社間接部門での活用が中心だったが、外回りをする営業社員の働き方の見直しや社員研修などに広く展開している。
・オンライン会議等が活発に利用されるようになったことで、移動時間が削減される、スケジュール調整をしやすくなる等の効果を感じている。外回りの営業を行う社員も、外回りの後に帰社することなく外出先で日報を作成する等、働き方の見直しが進んだ。社員の間でも、リモート対応できる業務が多いという気付きにつながっている。
・人材育成について、新型コロナウイルス感染症の流行以前は、営業で外回りが多いメンバーとは、個人面談の時間を取りづらかった。リモート環境でコミュニケーションの重要性が増しているが、移動時間が無くなった分、社員一人ひとりとの面談の時間も確保しやすくなった。これまでよりも丁寧なフィードバック、人事考課を行えるようになっている。こうした取組は今後も継続していきたい。
・オンライン会議の場合、多くの社員が一度に参加できるため、対面での会議に比べて情報を共有しやすい。多くの社員に対して同じようにメッセージを伝えることができるようになった点もメリットであるため、今後も積極的に活用していきたい。
・当社は住宅関連の建材・設備機器等を提供している。自宅で過ごす時間が長くなることを前提として、快適な住空間を求める消費者が増えてきたように感じる。こうした「家」への関心の高まりに対応できるような製品・サービスを提供していきたい。

新しい働き方を掲げる以前の働き方・休み方や実施していた取組

1 新しい働き方を掲げる以前の働き方や休み方の状況

・2016年に現社長が就任後、オープンでフラットな企業文化を醸成するとの方針を掲げ、服装規定の撤廃やフリーアドレスの導入、社内SNSを活用したコミュニケーションの活性化等に取り組んできた。働き方改善も、そうした取組と並行して行われてきた。
・働き方改善に取り組む以前、特に顧客対応を伴う営業部門では、残業が多くなりがちな傾向があった。そのため、社員にとってはメリハリのある働き方ができるように、会社にとってはそれによって生産性を向上できるように、勤務時間の柔軟化等に取り組む必要性を感じていた。

2 新しい働き方を掲げる以前の働き方や休み方の状況

【年次有給休暇の取得状況(平均取得率)の変化】
・約30%(2011年度)
・約50%(2019年度)
・2011年に合併により当社が発足した当時の年次有給休暇の取得率は、全社平均で30%程度であったが、現在は50%程度まで向上した。
・顧客対応を伴う営業部門では、2011年当時において年次有給休暇の取得率が約25%と、全社と比べても低い傾向にあった。現在は営業部門の年次有給休暇の取得率も50%程度まで向上し、部門による偏りは改善されてきている。

3 新型コロナウイルス感染症が広まる前までに取り組んでいたこと

【働き方の取組】
・2017年頃から、働き方改善の取組を本格化した。
・フレックスタイム制について、2017年から2018年にかけて、まず本社間接部門で試行的に導入したうえで、営業部門に対象範囲を拡大した。当初は午前10時から午後2時をコアタイムとしていたが、2019年にはコアタイムを柔軟化し、1日のうち最低2時間勤務すれば良いこととした。その後、2020年にスーパーフレックスタイム制(フルフレックス)を導入し、コアタイム(1日の最低勤務時間)も撤廃した。2021年1月現在、フレックスタイム制適用者の70%が制度を活用しており、社内に一定程度浸透している。
・テレワークについて、2017年にテレワーク制度を導入した。当初は育児・介護事由がある正社員のみを対象としていた。2018年には、週に1回、特段の事由がなくても事前許可制によってテレワーク勤務できるように制度を柔軟化した。その後、テレワーク制度の柔軟化、利用推奨を経て、2020年1月以降は有期契約の社員も含め、事由を問わず上司の許可のみで日数・場所の制限なくテレワークできるよう拡充を図った。(2021年1月現在では、新型コロナウイルスの感染防止のため在宅勤務に限定。)

【休み方の取組】
・休暇取得促進や、育児・介護との両立支援に取り組んできた。
・休暇取得促進のため、「ゆとり休暇」として、連続5日間(有給3日間・会社休日等との連続取得可)の年次有給休暇の取得を推奨している。また、「メモリアル休暇」として年2日、自身や家族の記念日等に年次有給休暇を取得する制度を導入している。

4 新しい働き方において、これまでの取組が活かされている点/これまでの環境整備が功を奏している点

・2017年から徐々に、在宅勤務の対象者の拡大や制度の柔軟化を進め、利用を促してきたため、新型コロナウイルスの流行によって全社的に在宅勤務を実施する必要に迫られた中でも、大きな混乱を来すことなく、工夫して対応にあたることができた。
・テレワーク・デイズに参加し、全社員が2018年は2日、2019年は4日程度在宅勤務をするように推奨した。テレワーク・デイズ以前は、在宅勤務を積極的に利用している社員は一部に限られていたが、全社的に在宅勤務の利用を推奨したことで、社員も在宅勤務に慣れることができた。こうした経験があったからこそ、新型コロナウイルス感染症への対応が必要になった際も、比較的円滑に対応ができたのだと感じる。
・ツール面に関して、Web会議システムやチャットは、新型コロナウイルス感染症の流行以前から導入していた。以前は離れた拠点とコミュニケーションをとるための利用に限られていたが、コロナを機に在宅勤務の利用が進んだことで、同じオフィスに勤務する社員同士のコミュニケーションでも利用するようになった。

新しい働き方を推進する上で課題だったこと・工夫したこと

・リモート環境下で上司と部下のコミュニケーション機会が減少し、部下の健康管理、特にメンタルヘルスの状況を把握することが難しくなった。そこで、各部署において、ミーティングの機会を積極的に設けるようにし、メンタルヘルスに不調を抱える社員が出ないように配慮している。また、マネジャー層向けの研修も並行して行っている。
・2020年6月の緊急事態宣言解除後も、顧客への営業活動はリモートで実施している。一部の顧客からは、訪問での営業を希望する声もあったようである。そうした中でもリモートでの営業活動を継続し、顧客に対して理解を呼び掛けていった結果、顧客にも徐々にリモートでの営業への理解をいただけるようになってきた。

現状の課題・展望

・新型コロナウイルスの感染拡大を経て、新しい働き方が進んだことにより、社員がワーク・ライフ・バランスを意識して、人生・仕事を充実させることにつながっている。
・在宅勤務を中心とした勤務形態が今後も元に戻ることはなく定着していくと考えている。営業部門では、今後、リモートによる営業と、訪問による営業を併用していく形になると思われる。日報を出先で記入し、外回り後に帰社することも少なくなってきたが、今後も直行直帰のさらなる推進等、働き方の柔軟化に取り組んでいきたい。
・アイデアの共有等、対面のコミュニケーションが有効な場面もあるため、オフィスの役割、活用方法についても見直しを進めていきたい。

(R3.3)

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