株式会社ズコーシャ

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

株式会社ズコーシャ
企業名
株式会社ズコーシャ
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所在地
北海道
社員数
273名(役員・パート含む。うち女性73名)
業種
学術研究、専門・技術サービス業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・労働時間制度:フレックスタイム制(非正規雇用社員を含む全社員)
IT部門:コアタイムなし
その他の部門:コアタイム9時~15時(短縮を検討中)

■休暇関連
・年間所定休日数:128日
・年次有給休暇の時間単位取得
・子の看護休暇は、子の人数に関わらず、小学校6年生までの間、年間15日まで時間単位で取得可能(有給休暇)
・介護休暇(2親等以内)は、年間5日、時間単位で取得可能(有給休暇)
・リフレッシュ休暇制度として、勤続10年、20年、30年の対象者について、5日間の休暇を付与し、連続休暇の取得を促している。さらに、慰労金も支給している。

働き方・休み方改善の取組をはじめた背景や課題

1 働き方の状況

・総合コンサルタントとして、測量業に始まり、現在は幅広く事業を展開しており、土木関連の設計を主に手掛けている。専門性の高い業務が多く、業務の属人化・長時間労働が課題であった。
・事業の中心となる土木分野はチームで仕事を進める。年末や年度末に業務が集中し、月50~80時間程度の残業が発生する場合もあった。
・社員も、残業を美徳とするような風土があり、生産性に対する意識も低かった。

2 働き方に関する課題

・土木分野を専攻する学生が減少しており、新卒採用に課題があった。昨今は給与よりも働きやすさが重視される傾向があり、働きやすい環境を整備する必要性を認識していた。
・また、仕事と育児、仕事と介護の両立が困難なことを理由に、離職する女性もいた。

3 休み方の状況

・働き方・休み方改善に取り組む以前から、年次有給休暇の取得率は7割程度であり、一定程度休暇を取得できていた。ただし、長時間労働を美徳とする風土もあり、休日出勤する社員もいた。

4 休み方に関する課題

・概ね社員が希望する時期に休暇を取得することができており、特に課題はなかった。

働き方・休み方改善の取組経緯・取組内容

1 働き方・休み方改善の取組経緯(きっかけ、当初の目的や計画)

・社員の離職防止を推進するために、働きやすい職場環境を整備することが必要と認識していた。
・社会の風潮としても、求職者から働きやすい職場環境であること、キャリア形成が可能であることが重視されるようになってきていると認識しており、自社として対応する必要があると認識していた。
・当時の社長の意向により、2016年3月に育児中の社員を対象とした育児者懇談会を発足し、離職防止、職場環境の改善等に係る意見等を聴取し、経営層に伝えた。また、2016年5月に働き方・休み方改善のための取組を制度化するため、プロジェクトチームを発足し、独自の両立支援制度を策定した。
・プロジェクトチームから、2ヵ月に1度の役員会議で働き方・休み方改善の取組を提案し、役員の意識啓発を図った。また、社長からのメッセージの発信、外部講師を招いてのセミナー開催により社内の意識啓発を図った。

2 推進体制・労使間の話し合いの機会の有無

・プロジェクトチームは総務部の管理職および担当者2名の計3名から構成されている。当時の社長とも連携しつつ、取組を推進した。

3 働き方改善に関する取組内容

・2017年、2018年にフレックスタイム制を全社一斉に試行導入した。このとき、運用がうまくいかなかった場合は通常の労働時間管理に戻すという説明のもとで実施した。労働時間管理に不安を持つ管理職も多かった。そこで、より労働時間管理が行いやすいように、既存のシステムを改修した。
・フレックスタイム制を導入した結果、デメリットよりもメリットの方が大きいことを多くの社員が理解したため、2019年に正式導入することになった。
・フレックスタイム制は、対象者を限定せず、非正規雇用社員も対象とすることとした。対象者を育児や介護中のみの社員に限定してしまうと、周りが不公平に感じる可能性があるだけでなく、対象者自身も両立支援制度を利用しづらくなってしまう可能性があるので、試行導入時より全社員を対象とすることにした。なお、現在のところ、非正規雇用社員の所定労働時間も5時間以上のため、フレックスタイム制を活用できている。
・部署によって専門分野が異なるため、スキルマップを作成し、毎年、本人と上司が面談で能力開発の目標を決め、その達成具合を評価するようにしている。能力開発に対する評価は昇進・昇格とも関わっている。また、業務の複数体制化にも取り組んだ。こうした取組により、多能工化にもつながっている。

4 休み方改善に関する取組内容

・年次有給休暇の時間単位取得を導入した。
・両立支援制度として、子の看護休暇の対象年齢拡大と有給化、介護休暇の有給化を図った。
・連続休暇制度として、全社員を対象に、期初の時点で休日を含めて連続した7日間以上の休暇取得計画を立ててもらうようにし、連続休暇の取得を推進した。
・休み方改善の取組についても、上記と同様の理由から、非正規雇用社員を含む全社員を対象とすることとした。

働き方・休み方改善による成果

1 働き方の現状と取組の成果

【所定外労働時間の長さの変化】
<取組前>(月平均)約30時間(2016年)
<取組後>(月平均)約20時間(2019年)
・2019年度は、年間を通じて月80時間の残業があった社員は1名だけであり、全体的に長時間労働が是正された。

【生産性、メリハリのある働き方】
・管理職が仕事の配分を意識し、平準化を図るようになった。
・管理職が仕事の配分を意識するようになったことと、フレックスタイム制の導入によって、メリハリをつけて働く部署が増えた。社員の間でも、効率的に働いて、その分早く帰るという意識が浸透してきた。以前は残業を美徳するような風土があったが、社員の間でも生産性高く働くことへの意識が高まった。

【柔軟な働き方(時間・場所)】
・育児、介護中の社員を対象に、試験的に在宅勤務を導入していた。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、対象範囲を拡大し、在宅勤務が可能な社員は在宅勤務をすることとした。今後は新しい働き方として、テレワークを制度化することを検討している。
・テレワーク中の社員について、在宅勤務を試験的に導入した当初は、始終業のタイミングで、上長にメールやスマホで連絡をすることで在席確認を行っていた。しかし、育児や介護中の社員は中抜けをすることもあるため、始終業時の連絡によって在席確認するのではなく、成果を見て業務にあたっていたかどうかを判断するようになった。

2 休み方の現状と取組の成果

【年次有給休暇の取得状況の変化】
 <取組前>約70%(2016年)
 <取組後>約70%(2019年)
・年次有給休暇の取得率に大きな変化はないものの、仕事のメリハリを意識するようになり、子の看護休暇、介護休暇を有給化しても取得率を維持できていることから、会社としては前向きに捉えている。
・管理職の間でも、子の看護休暇、介護休暇を取得するなど、休暇取得の意識が高まった。
・また、管理職が休暇を取得するようになったことで、一般の社員も休暇を取得しやすくなり、お互いに休暇中の仕事をカバーするような雰囲気もできてきた。とりわけ連続休暇制度では、全社員があらかじめ連続休暇の取得計画を立てているため、気兼ねなく休むことができている。

3 上記以外の働き方・休み方改善による成果

【多様な人材の確保・定着(採用の状況、離職率の変化など)】
・働き方改善の取組について、北海道による働き方改革推進企業認定制度で、最高位認定・知事表彰を受け、メディアにも取り上げられたため、働き方・休み方改善に取り組む以前に比べると、求人への応募が1.5倍程度になった。また、健康経営にも取り組んでおり、それに関する表彰や認定も求職者へのアピールになっている。当初課題となっていた社員の離職も防止することができている。
・自社の取組が地元新聞で取り上げられたため、親が就職活動中の子どもに対して当社を勧めてくれたり、女性からの関心が高まったりするといった効果があった。働き方改善に取り組んでいることで、学生や若い世代に好印象を持ってもらえているのではないか。
・就職氷河期に新規採用をしてこなかったため、30代後半から40代前半の人材が少ない。そのため、中途採用や非正規社員の正社員転換を進めている。

【その他】
・働き方改善と並行して能力開発にも取り組んできたため、勤務時間中に資格取得の指導を受けたり、外部研修に参加したりする社員が増えた。試験を受けるための旅費や受講料は、会社が負担している。
・eラーニングを業務中に受講するなど、時間を有効に使えるようになってきた。

働き方・休み方の現在の課題・働き方・休み方改善に関する今後の展望

1 現在の課題

・定年の延長を含め、労働力の確保や技術の伝承をしていく必要があると考えている。

2 今後の取組予定

・少子高齢化、人材不足が継続すると想定しており、育児・介護事由以外でも利用可能な短時間勤務制度の導入等、新たな仕組みの導入や拡充を進める。
・コミュニケーション基盤や基幹システムを刷新し、時間や場所に制約されず、誰もが多様な働き方で活躍できる業務環境を整えていく。

(R3.3)

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