K社(2016年度)

(1)企業概要

社名
K社(2016年度)
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業種/事業概要
サービス業(他に分類されないもの)
従業員規模
34人(うち5人が契約社員、2人が定年退職後の再雇用者。)
本社所在地
福岡県
労働時間制度
サービスチーム            6:50-15:50(8時間)
開発営業チームおよび経営・支援チーム 8:30-17:30(8時間)
休憩時間 11:30-13:30の間に60分
所定休日 土曜、日曜

(2)働き方・休み方改善に関するこれまでの取組と指標活用のきっかけ

1)これまでの取組
・内勤業務の事前申請により、定時内での効率的な業務の振り分け、スケジューリングによる残業削減と各社員の仕事のスケジュールの見える化。
・内勤残業の事前申請の徹底と、ホワイトボード掲示や残業中カードの携帯による残業者の見える化による、サービス残業や長時間残業の防止。
・毎週水曜日をノー残業デーとし、定時退社を促す。
・年次有給休暇の連続3日間取得に土日を加えた計5日の休みを計画的に取得できるよう、毎年8月末までに9月以降の年間休暇計画を作成。
・就業規則や経営理念等を掲載した経営計画書をハンドブックとして各社員一人ひとりに配布、携帯させ、働き方や休み方についての会社の制度や取り組みをいつでも参照できるようにしている。

2)「働き方・休み方改善指標」活用のきっかけ
働き方、休み方のコンサルティングや「働き方・休み方改善指標」による分析・改善提案により客観的な視点で当社の現状を見ることで、個々の制度の見直し、改善の機会としたい。また制度に留まらず、これらの問題にとって重要な人財に由来する問題である、意識や制度を運用するマネジメントの問題についても改善していきたい。
モデル事業に選出されることにより、当社だけでは解決できない問題を改善することにより、ライフ・ワーク・バランスが整えられ、高いロイヤリティーとモチベーションをもつ社員が増えることへの期待がある。それは、お客様へのサービス向上に繋がる。
経営理念である「みんなの生活を快適にする」の実現に向かっていくことを期待する。

(3)働き方・休み方の現状・背景

1)人事部の課題認識
現場社員それぞれに内勤業務(市内全域の一般家庭ごみ収集、樹木ごみ収集、生活支援サービス、遺品整理等のサービスが事業の柱であり、社員のほとんどが日中ほぼ外勤である。事務的な作業等、一部の社内で行う業務を内勤業務と呼んでいる)があるなか、定時に外勤の現場業務を終了できない日も多く、内勤業務を残業で対応するなど残業が慢性化している。残業削減の方針はあるが、残業を是としてしまう意識や上司の部下マネジメント等も課題である。
対人サービス業であり、人的資本の質の向上が競争優位性を決定付ける。そこで、これまで顧客満足度(CS)および社員満足度(ES)の向上に力を入れてきた。その結果、CSは高い水準に到達したが、ESは課題も見られるため改善を行いたいと考えている。社員の満足度が低い項目の一つが「休暇の取得」であることから、休みやすい職場づくりを推進したい。

2)仕事特性と働き方・休み方の現状
①組織体制
組織は大きく、サービスチーム、開発・営業チーム、経営・支援チームで構成されている。サービスチームは34人、開発・営業チームおよび事務チームはそれぞれ3人。
なお、開発・営業チームが行う業務の実働部隊として、子会社の「株式会社 環境サポート」がある。
一般職(1等級から4等級)、総合職・専門職(5等級から6等級)、サブリーダー(7等級)、リーダー(8等級)、取締役リーダーと等級があり、サブリーダー以上が管理職(管理監督者)である。
サービスチームの主要業務である廃棄物収集運搬は同社の売上げの9割近くを占めている(開発・営業チームによる生活支援サービスの売上げは1割強)。
企業理念を踏まえて行う経営戦略・事業アイデアその他の事業戦略等も相まって経営は安定している。
遠方までサービスを広げようとすると、営業コストがかかりすぎるため時間距離にして1時間程度以内のエリアを対象とした事業を想定している。

②働き方
開発・営業チームは常時2人が終日動ける体制を組んでいる。経営・支援チームも同様に3人の職員のうち少なくとも2人は常時出勤している。
サービスチームの業務は廃棄物収集運搬、リサイクルサービス、指定袋等配達業務などである。開発・営業チームはハウスクリーニングや遺品整理など、生活支援サービスを提供しており、経営・支援チームは粗大ごみ受付業務や経理等の事務などを行っている。
開発・営業チームの業務の中で日常の生活を支援するサービスは少ない人数で対応が可能だが、遺品整理業務は数多くの社員を必要とする場合がある。
業務の繁閑に対応したり、休みを取りやすくするため、前述の3部門多能工化を図っている。サービスチームの社員のうち23人はごみ回収専属だが、11人は開発・営業チームとしても対応でき、必要に応じて支援を行う。また、経営・支援チームの社員のうち1人は、サービスチームの業務を遂行できる。
ごみ回収サービスの提供などを行った後に、帰社してから行う事務作業は日報の作成程度であり、省力化しているため、5分程度で完了する。
開発・営業チームの業務量は季節により変動する(大きな差がある)。具体的には1~2月は閑散期であり、6~8月は植木の剪定、11~12月は不用品回収等で繁忙となる。
ごみの回収は通常、14台、二人体制で実施している。13台で行う場合もあるが、その分、一台あたりの業務量が増えるため、完了が遅くなり、残業発生につながりやすい。
各家屋を訪問して行う16品目の回収作業はブラックボックス化しているため、他社の参入が難しくなり、結果的に優位性を維持できている面があるが、一軒一軒の個別回収となるため、回収には手間がかかる。
ごみ回収業務の場合、回収を終え16時に会社に戻ることもあれば、17時になることもある。早く戻った場合、車両のメンテナンスや清掃をおこなうため、早く帰れるわけではない。ただし、社員ごとに担当の掃除場所を持っており、早く会社に戻った社員が遅くなる社員の持ち場を清掃するといった助け合いは行われる場合がある。
サービスチームは、4~8月および10月および12月が繁忙期で、9月、11月および1~3月はゆとりがある。なお、7月と8月は炎暑のため、労働時間の長さに加え、肉体的な疲労も大きい。繁忙期を生む主な要因は樹木粉砕業務である。通常のごみ回収に加え、2人社員を増やす必要がある。
開発・営業チームは、個別の申し込みに対してサービスを提供する業務である。提供している生活支援サービスは7~8割が「2~3日前」に申し込まれるため、前月までに予定を立てることはできない。トイレ等の水周りの対応は特に緊急性が高く柔軟な対応が求められる。
サービスチームや開発・営業チームは外勤がメインではあるが、内勤業務として委員会活動がある。安全衛生委員会、人財育成委員会、業務統括委員会、おもてなし経営委員会、マネジメントシステム委員会、ICT委員会の6つの委員会を運営しており、全社員がいずれかの委員会に所属している(複数の委員会を掛け持ちしている社員もいる)。月に1~3回程度の委員会への参加、企画立案、その他、各個人の役割分担に応じた事務作業がある。
業務統括委員会は委員会活動の中でも特に業務量が多く、毎日、打ち合わせが行われている。原則30分に時間を定めているが、1時間程度はかかっており、1.5時間程度かかるときもある。業務統括委員会は3人でも遂行は可能だが、若い社員の教育を兼ねていることもあり、6人程度にしている。
その他、たとえば人財育成委員会の仕事としては採用活動の事務のような一時期の活動がある。おもてなし委員会は、「ナイスカード」と呼ばれる他の社員の行動をたたえるカードの集計作業を毎月の月初めに行うなどの定常業務がある。業務統括委員会をはじめ、このような各種の委員会活動の業務負担は大きく、残業の発生や休みにくさを生み出している要因の一つと考えられる。
社員一人ひとりの委員会活動の業務量や業務内容はメンバー間で共有できておらず、リーダー層がメンバーの詳細な状況を把握することもできていない。
月に20時間を超えて残業をしている社員の傾向としては、業務統括委員会のメンバーであること、委員会の主要メンバーであること、複数の委員会を兼務している社員であることの3つ。

③休み方
所定の休日は土曜日、日曜日で、祝日は出勤日である。
サブリーダーが翌月の勤務予定表を作成する(年次有給休暇の取得予定や、サービスチーム・開発営業チームの業務状況と必要人数を計算した結果外勤社員が十分確保できている日がある場合に、会議資料等を作成する時間を与えて事務作業を進める内勤者を定める等の決定を行う)。
5日間の計画年休(年次有給休暇の計画的付与)は最優先されるが、目先の1~2日間程度の年次有給休暇の取得よりそれぞれが担う内勤業務が優先になりがちである。現状では年間に立てた計画に基づく休暇以外の希望日の休暇は取得しにくい。翌月の1~2日間程度の休暇を申請できる仕組みがあると、社員の休暇取得ニーズに対応できると考えられる。(内勤の申請を行う社員の場合、内勤申請と同時に休暇取得申請を行える仕組みがあるとよいかもしれない。)※内勤業務は前月に申請して、翌月の勤務計画の各日の外勤人員の充足感により時間割り当てが行われる仕組みである。
誕生日を休暇にするような制度はない。

④マネジメント
36協定は、延長時間を月45時間、年間360時間としている。但し自然災害や感染症の集団感染によりBCP(事業継続計画)を発動した場合及び、市委託による収集システムの大規模な改変により業務量が大幅に増大した際は、年間600時間まで延長される。
10年ほど前から新卒採用に切り替えた。毎年平均2人程度を採用している。現在、男女比は8:2。今後、女性社員の割合は高まっていくと予測している。
定年は60歳であり、定年退職者のうち希望者は再雇用を行う。再雇用者の就業期間に期限はなく、当人の意欲と能力、体力があれば何歳まででも働き続けることができる。ただし、再雇用者に対しては、加齢による体力低下等の状況を加味し、商品の配達業務や粗大ごみの回収など、細かな計算、小さい字を読む、重い荷物を持つ等が必要な業務は避けるように配慮している。
管理職の人事考課に、部下の働き方・休み方に関する項目はない。
社員に対して、働き方・休み方に関する教育研修は行われていない。

⑤その他
年度途中で退職などの人員減がある場合は、一時的に非正規社員を雇用し業務遂行体制を確保するが、基本は正社員を増やす方針である。また来期以降も社員増員により、一人当たりの業務量の軽減を図り、休みやすくする予定である。

(4)働き方・休み方に関する課題

1)働き方
残業を是としてしまう意識や上司の部下マネジメントがある。
業務統括委員会は委員会活動の中でも特に業務量が多く、毎日、打ち合わせが行われている。原則30分に時間を定めているが、1時間程度はかかっており、1.5時間程度かかるときもある。
社員一人ひとりの委員会活動の業務量や業務内容はメンバー間で共有できておらず、リーダー層がメンバーの状況を把握することもなされていない。

2)休み方
目先の1~2日間程度の年次有給休暇の取得よりそれぞれが担う内勤業務が優先になりがちである。
現状、年間に立てた計画に基づく休暇以外の休暇は取得しにくい。
誕生日を休暇にするような制度はない。

3)働き方・休み方共通
管理職の人事考課に、部下の働き方・休み方に関する項目はない。
社員に対して、働き方・休み方に関する教育研修は行われていない。

(5)「働き方・休み方改善指標」診断結果

働き方・休み方に関するアウトプット指標
働き方・休み方に関するアウトプット指標
働き方・休み方に関するアウトプット指標
「働き方・休み方改善指標」による診断結果は以下のとおり。
【労働時間】
週労働時間60時間以上の雇用者の割合は0.0%であった。
→貴社の週労働時間60時間以上の雇用者の割合は、全国の雇用者の平均値である8.5%(従業員規模30人~99人のカテゴリ)及び、国の定める目標値5.0%ともにクリアしている。
(36協定で定める労働時間の延長の限度基準である1ヶ月45時間を超える従業員もいない(注1)。)
(注1) 繁忙月
【年次有給休暇取得率】
年次有給休暇取得率は全従業員平均52.7%であった。
→主要産業の平均値である43.2%(従業員規模30人~99人のカテゴリ)はクリアできているものの、国の定める目標値70.0%はクリアできていない。
貴社の長時間労働の社員の割合は、働き方に関する国の目標値以上である。また、所定外労働自体も多くはない。しかし、所定外労働の時間は社員によってバラつきがあるなど、改善の余地がある。また、中心的な業務である外勤、そして内勤、委員会運営を各自が担っている中、休暇の取得より内勤業務を優先するなどにより会社が思うように年次有給休暇の取得が進んでいない。その結果年次有給休暇の取得率が国の目標値に達していない。その為、休み方の改善が求められる。
※「1ヶ月あたりの残業時間が80時間を超える社員の割合」を「週労働時間60時間以上の雇用者の割合」と見なした。
働き方
休み方

(6)課題の整理と改善提案

働き方・休み方に関する課題の整理と改善提案は以下のとおり。

指標項目
現状と課題
対策案
Vision(ビジョン)
項目1
方針・目標の明確化
目先の1~2日間程度の年次有給休暇の取得よりそれぞれが担う内勤業務が優先になりがちである。
トップメッセージとして年次有給休暇取得促進を数値目標と共に掲げる
 中小企業では、トップの意識、トップの声が重要であり、それによる全社統制の効果が高い。貴社は、トップの働き方・休み方改善意識が非常に高くメッセージも発信されているため、現在の取組推進の原動力となっている。
そのような中、従業員の休暇の取得に対する満足度が高くない現状を打破するためには、取組の推進にさらに一定の力を持たせることが貴社の働き方・休み方改善の鍵であると考える。
そこで、トップメッセージに数値目標を示して、休暇取得の促進を明言する。
具体的な数字は、次の「数値目標の設定」に示す安全衛生委員会等、労使による協議の場が有効である。
現場の業務量が明らかに過多である場合、トップが闇雲に休暇取得促進や数値目標の設定について声を発するだけでは、現場のモチベーションを逆に下げてしまう恐れもあるが、貴社は、トップの決定に対する社員の実現意識は高く、さらに今後、新たに社員が増員される予定であり、労使一体による取組を今にも増して推進していくための体制が整いつつあると考える。
また、後述する「業務の棚卸」と併せて行うことにより、来年度予定している増員による休暇取得促進の効果は高まると考える。休暇の取得推進が社員満足度の向上に繋がること、社員満足度の向上は業務の質や定着など多方面の好影響に繋がることを意識して、トップからメッセージとして発信する。
System(システム)
項目2
改善・推進の体制づくり
現状、年間に立てた計画に基づく休暇以外の希望日の休暇は取得しにくい。
年次有給休暇取得について数値目標を設定する
例えば安全衛生委員会にて、組織・部門・個人の年次有給休暇の取得目標を定め、職員の休暇取得意識を高める。
組織・部門・個人全てについて目標を立てる必要はなく、達成するためのトップの意識と実効性の担保の下、いずれかの目標をでもよいから、決定した目標をトップダウンで遂行することが望ましい。また、後段にて提案する「評価」や「意識改革研修」、「業務の棚卸」等との多角的な取り組みの実施は、より効果的である。
また、年次有給休暇の取得率の向上、目標の達成に向け、次項の誕生日休暇を推進する。その為、特に年次有給休暇の目標数値は、最初はあまり高すぎない目標を検討し、人員増に伴う業務の分散等の結果から、その後の数値目標の設定を行うなど、徐々に休暇取得の推進を図る。
項目3
改善促進の制度化
誕生日を休暇にするような制度はない。
(就業規則より)
「誕生日・誕生月休暇」等の休暇の設定
誕生日・月等に年次有給休暇の取得を促すメモリアル休暇制度を設ける。
貴社は年間で計画的に休暇取得の予定を立てているので、期初に計画を立てる際に、社員全員の誕生日(もしくは誕生月)の休暇を計画し、サブリーダーが翌月の勤務予定表を作成する際に休暇取得を前提とした勤務予定表を作成する。
ただし、月毎におおよその繁忙感を把握できているため、例えば誕生月が年間における繁忙月であれば、前後の月への休暇の振替を前もって行うルールを設けておく等柔軟な対応を行い、業務への影響を最小限に抑える。
翌月の1~2日の休暇取得ニーズへの対応の手掛かりとしてまずは計画的に誕生日休暇を推進することを検討し、来年度以降の人員増による業務の分散を見据えたうえで、他の希望休暇推進を検討する。
項目4
改善促進のルール化
残業を是としてしまう意識や上司の部下マネジメントがある。
管理職の人事考課に、部下の働き方・休み方に関する項目はない。

目先の1~2日間程度の年次有給休暇の取得よりそれぞれが担う内勤業務が優先になりがちである。
サブリーダー層以上の人事評価に労働時間・年次有給休暇取得の状況を評価項目に入れる
サブリーダー層以上の人事評価に自身と部下(メンバー)の働き方・休み方の管理についての項目を組み込み、ワーク・ライフ・バランス評価の重要度を高める。
サブリーダー層以上の社員に、自身にとってワーク・ライフ・バランスが重要であることや、部下の労働時間・休暇の取得状況が上司のマネジメント能力に左右されることを項目5の研修等を併用して理解していただいたたうえで、評価の一部に組み込む。
適正な労働時間の管理、年次有給休暇の取得促進は、社員の労働生産性を高め、質の向上、優秀な人材の確保その他さまざまな効果が期待できる。仕事効率・生産性向上、休暇取得促進を目指す貴社においては、トップ以下、管理職の意識と行動が重要である。
評価への組み込みの際、全体に対する評価ウェイトは少なくても良い。労働時間等マネジメントが評価に繋がることが重要。ただし、サブリーダーまでを管理するリーダーの労働時間等マネジメント評価ウェイトは、サブリーダーの評価ウェイトより多少高い方が望ましい。
業務統括委員会は委員会活動の中でも特に業務量が多く、毎日、打ち合わせが行われている。原則30分に時間を定めているが、1時間程度はかかっており、1.5時間程度かかるときもある。

目先の1~2日間程度の年次有給休暇の取得よりそれぞれが担う内勤業務が優先になりがちである。
委員会実施に一定のルールを設ける
① 毎週水曜日のノー残業デーは委員会も開催しない。
これにより、業務統括委員会が毎日本当に必要かについても考える機会となる。
また、ノー残業デーは、ノー残業デーとして運用して、別の曜日に「ノー委員会デー」を設けても良い。委員会が無いだけで、休暇の取得もしやすくなると考える。
② 委員会の開催時間の上限の設定
30分、1時間など、次回委員会の時間の設定を先に行い、委員会で諮るべきこと、結論まで必要であることなどを精査した上で議事等の資料作りを行い、時間内に終わらせる意識を持って開催する。
委員会開催に先立って、「今日の委員会は○時○分までである」ことを宣言して委員会を開催する。
③ 委員会委員への就任につき、一人当たりの就任上限を設ける。
ただし、研修中の場合は、一定の期間を定めて他の委員会へのオブザーブを1つだけ認める(研修と言えども、2つ、3つと委員会のオブザーブを複数担っていては上限の意味がなくなる)。
現状、年間に立てた計画に基づく休暇以外の希望日の休暇は取得しにくい。
年間計画に部門別閑散期の年次有給休暇取得促進計画を盛り込む
年間計画に沿った休暇以外の取得が難しいのであれば、その年間計画に、部門別閑散期における年次有給休暇の取得促進に向けた、休暇設定を行う。
年間計画は、今事業年度分は8月に終えているから、来年度の春に人財が入職した後、適切に現場人財の稼働状況を分析して、来年の9月からの休暇計画に反映する。
Action(アクション)
項目5
意識改善
残業を是としてしまう意識や上司の部下マネジメントがある。
社員に対して、働き方・休み方に関する教育研修は行われていない。

目先の1~2日間程度の年次有給休暇の取得よりそれぞれが担う内勤業務が優先になりがちである。

社員一人ひとりの委員会活動の業務量や業務内容はメンバー間で共有できておらず、リーダー層がメンバーの詳細な状況を把握することもなされていない。
サブリーダー層以上に対するマネジメント力向上等を目的とした研修を行う
サブリーダー本人の働き方・休み方改善を推進するための研修を行う。また、働き方・休み方に課題のある部下の長時間労働の抑制及び年次有給休暇取得を促進するため、部下(メンバー)の働き方・休み方のマネジメントに関する教育・研修を行う。
研修を通じて、業務量や業務内容の把握を意識すること、部下の労働時間管理は業務遂行と共にマネジメントの基本的な要素であることの認識を深める。
その後、具体的な職場における所定外労働削減に向けての取組について、グループワークなどによる実際に即した対策を討議し、取組内容を策定する実習型の研修を行う。
なお、自社の働き方・休み方改善の好事例を事前に収集した上で、研修の中で参考事例として取りあげることも検討する。
一般社員向けの意識改善に向けた研修
長時間労働と健康・仕事効率の関係、休養の重要性などを従業員に認知してもらうため、全職員の受講を義務とする教育・研修を行う。
上記の研修は、集合研修に限らず、個別研修やe-ラーニング等でも可能である。例えばe-ラーニングシステムによる座学と、習熟度テストによる理解度チェックにより、研修を進めることもできる。e-ラーニングで行う場合は、研修受講・習熟度テストの最終期限を定め、受講が完了していない職員には、トップや上司から研修受講を促すようにする。
※資料の回覧等で終わらせるのであれば実効性に乏しく効果は期待できない。
ただし、明らかな業務過多の状況で意識変革の研修を行っても、モチベーションの大幅な低下を招く恐れもある。「項目7」の業務の棚卸を行うなど、多角的に取組を行う事が必要である。また、「なぜ取り組みが必要であるのか」を理解した上で働き方・休み方の改善推進を行うのでなければ、取組自体も、そしてそれが評価に紐づいていることも職員には単なるストレスとなる。
項目7
仕事の進め方改善
業務統括委員会は委員会活動の中でも特に業務量が多く、毎日、打ち合わせが行われている。原則30分に時間を定めているが、1時間程度はかかっており、1.5時間程度かかるときもある。

目先の1~2日間程度の年次有給休暇の取得よりそれぞれが担う内勤業務が優先になりがちである。
仕事(特に各種委員会業務)の棚卸を推進する
30分で済ませるべきと会社が考えているにも関わらず、毎日おおよそ1時間、また1時間半もかかる場合もある。本当にそれほどの時間が必要な内容か(昨日の委員会から、たった1日の経過で1時間も話すほどの議題・決定事項が毎日あるのか)等に課題意識をもち、内容の精査が必要である。
委員会の効率化に関しては、出席する委員会に集中することは当然であるが、その内容に加えて、貴重な時間を最大限有効に活用するように委員会を実施するため、意思決定手順の明確化、必要な人のみが出席する等精査する必要がある。また、定期での委員会開催(例えば毎日)の必要性に関しても検討し、連絡・周知の目的であれば他の手段に代替することなど検討する。

精査の結果実際にかかる時間がおおよそ判断できた場合、なぜ長くなっていたのか等を共有することにより他の事務業務や委員会に対しても、効率化を図るための好事例として活用していくこともできる。
社員一人ひとりの委員会活動の業務量や業務内容はメンバー間で共有できておらず、リーダー層がメンバーの詳細な状況を把握することもなされていない。
委員会活動状況をサブリーダー以上に共有・把握する
 全社、メンバー全員が、全ての委員会の内容や作業量を把握しておく必要があるのかは要検討である。しかし、少人数で進める作業が属人化していては、担当者が入院した場合等の有事の際に困る。そこで、やはり各部門の管理者であるサブリーダー以上は、業務の一環として部下(メンバー)の委員会の活動量等の状況も把握する。
マネジメント研修における部下の業務内容・量の把握の一環としてきちんと委員会内容も把握していくように教育する。

(7)改善提案の活用

提案の活用、取組状況に関しては以下のとおり。
1) トップメッセージとして年次有給休暇取得促進を数値目標と共に掲げる
数年前より実施済みだが、中期経営計画に明記し、今期までに平均12日の有給休暇取得を目指す。今後は国の定める2020年までに70%を達成するために最終的には平均14日を目指していくことを検討していく。
2) サブリーダー層以上の人事評価に労働時間・年次有給休暇取得の状況を評価項目に入れる
現在は評価項目に加えられていないが、加えることができればサブリーダー層以上の管理職が今以上に管理・指導することの働きかけになり、有効性は高いと考えられる。すでにある人事考課への導入はさほど時間をかけることなく可能であるため今後検討していきたい。
3) 委員会実施に一定のルールを設ける
時間の宣言をした上での委員会は現在行われていない。現在は決められた時間になればそこで終わる。時間の宣言をすることで、時間を組み立てる必要性が出るため、会議の効率化が図れる可能性は高い。タイムキーパー役を各会議体の中で設けるなど検討していく。また、実施の頻度についても検討する。
4) 年間計画に部門別閑散期の年次有給休暇取得促進計画を盛り込む
部門別閑散期の洗い出しを行えばすぐに実施できる部分があるので、今後実施を検討していく。
5) サブリーダー層以上に対するマネジメント力向上等を目的とした研修を行う
サブリーダー層以上の人事評価に労働時間・年次有給休暇取得の状況を評価項目に入れるのであれば、これは必須である。研修で学んだスキルを持って労働時間・年次有給休暇取得の管理を行うことで調整する。
6) 一般社員向けの意識改善に向けた研修
ワーク・ライフバランスや働き方・休み方の社員の意識改善を試みた内容を社員勉強会(ビジネススクール)の中で実施。少しずつでも社員の意識・風土が改善のするよう今後も検討、実施を続けていきたい。
7) 仕事(特に各種委員会業務)の棚卸を推進する
一番残業時間を占めている業務統括委員会の時間を所定労働時間内に今よりも短い時間で少ない人数で行えるよう、検討・実施中である。
他の委員会活動においても社員勉強会において、仕事の質をあげて効率化が図れることがないか検討するように提案したい。
8) 委員会活動状況をサブリーダー以上に共有・把握する
全社員に委員会等の活動状況を知らせる議事録を回覧し月間スケジュールを作成するに当たり、事前に内勤の内容を記した申請を提出しているが、各自の仕事の中身は中々見えてきていない。今後も見える化の仕組み改善を行い、その仕事が他の社員と分担することで効率化できないかの検討を続けていく。

(8)「働き方・休み方改善指標」活用の効果(結果)

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(平成28年度事業)

事例を評価する