平成25年度 アンケート調査結果

1. 調査目的

労働時間等の設定の改善を通じた仕事と生活の調和を推進する一環として、労働者の個々の事情に応じて与えられる特別な休暇制度の普及促進を図っていくことが重要である。 病気休暇、ボランティア休暇、リフレッシュ休暇、裁判員休暇、犯罪被害者の被害回復のための休暇など、労働者の個々の事情に対応しつつ、事業所等において労使の話し合いにより与えられる休暇制度の普及促進を図ることは、労働者の仕事と生活の調和の実現に必要であるとともに、労働者が疲労を回復し、健康の増進を図るためにもきわめて有効である。

また、「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会報告書」(平成 24 年8月8日)においては、長期にわたる治療等が必要な作業関連疾患等の疾病を抱えた労働者の就労継続や職場復帰及びその後の治療と職業生活の両立の支援の必要性が掲げられており、「第2次犯罪被害者等基本計画」(平成 23 年3月 25 日閣議決定)においては、犯罪等の被害に遭った労働者が被害を回復するための休暇制度の必要性が掲げられている。

以上のことから、本事業では、労働者の健康や生活に配慮するための「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度」の普及促進のため、全国の企業・労働者における「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度」についての導入等の状況・意識の在り方等の状況を把握することを目的として、本調査を実施するものである。

2. 調査対象

  • (1)企業 7,000 社
  • (2)労働者 上記企業に雇用される労働者21,000人(1社につき3人)

3. 調査時点

平成 25 年4月1日時点の状況について調査した。

4. 調査内容

(1)企業調査

  1. 特別な休暇制度の有無と休暇の内容
  2. 導入のきっかけと導入時の調整、導入の効果(導入済みの企業)
  3. 知っている特別な休暇制度と今後の導入の意向(未導入の企業)
  4. 特別な休暇制度の導入効果、進めるために必要なこと
  5. 災害発生時の特別休暇の導入状況
  6. 病気休職制度について
  7. 犯罪被害者のための休暇制度の認知状況
  8. 犯罪被害者のための休暇制度の導入意向
  9. 年次有給休暇、休日について

(2)労働者調査

  1. 特別な休暇制度の有無と休暇の内容・取得状況
  2. 特別な休暇制度の導入効果(導入済み企業労働者)
  3. 知っている特別な休暇制度と今後の導入希望(未導入企業労働者)
  4. 災害発生時の特別休暇の導入状況
  5. 病気休職制度について
  6. 犯罪被害者のための休暇制度の認知状況・必要性について

5. 調査方法

郵送によるアンケート調査

6. 回収状況

 発送数回収数回収率
企業調査7,000 社1,792 票25.6%
労働者調査21,000 人4,422 票21.1%

7. 調査結果の特徴

(1)企業調査

  1. 特別な休暇制度を導入している企業は56.8%であり、半数以上の企業で何らかの休暇制度を導入している。企業規模が大きくなるほど導入率が高くなり、「1,000~4,999人」では9割を超えている。
  2. 導入されている休暇制度は、「病気休暇」(62.1%)、「裁判員休暇」(54.3%)が多い。
  3. 特別な休暇を導入したきっかけは、半数以上が「経営陣の発案」(53.0%)と回答している。また、特別な休暇の取得を促進するために効果的なこととして、「職場の雰囲気、上司・同僚の理解」(30.7%)、「休暇中の業務代替処理が可能な人事的余裕」(29.0%)、「経営陣による休暇取得の勧奨」(15.1%)が他の項目と比較して割合が高く、経営層、上司、同僚等の周りの理解と協力が必要と考えられる。
  4. 現在特別な休暇制度を導入していない企業において、導入を検討したい制度は「リフレッシュ休暇」(33.2%)、「裁判員休暇」(28.2%)が多い。
  5. 特別な休暇制度の導入で効果が上がるものについて、「社員の勤労意欲の向上」(59.5%)が約6割となっている。
  6. 特別な休暇制度の導入を進めるために重要だと思うことについて、「企業の経済的、人事的な余裕」(56.0%)が半数を超えている。
  7. 東日大震災にともなった特別な休暇の導入について、回答企業の約3割は「導入するかどうか検討したい」(30.6%)と回答している。
  8. 長期の病気治療のための病気休職制度を導入している企業は72.5%で、そのうち3割以上の企業は期間中の賃金支給があると回答している。非正社員への制度の適用状況は半数以上の企業では適用されていない。
  9. 犯罪被害者のための休暇制度を「知っている」と回答した企業は11.0%と低く、従業員から犯罪被害者のための休暇制度を導入してほしいという要望があった企業は0.2%と低い。犯罪被害者のための休暇制度を導入しない理由としては「個別に対応する予定であるため」(50.5%)、「既存の休暇制度で対応できるため」(45.9%)が4割以上となっている。

(2)労働者調査

  1. 所属企業に特別な休暇制度が「ある」と回答した労働者は54.6%であり、企業規模別では「1,000~4,999人」(88.0%)の企業に所属する労働者で割合が最も高い。導入されている休暇の種類は「病気休暇」(56.6%)、「裁判員休暇」(39.0%)、「リフレッシュ休暇」(35.5%)が3割以上となっている。
  2. 実際に取得したことがある休暇は、「学校行事休暇」(48.6%)、「記念日休暇」(46.1%)が多い。
  3. 特別な休暇制度の取得を促進するために効果的なことは「職場の雰囲気、上司・同僚の理解」が66.5%で最も割合が高く、以下「休暇中の業務代替処理が可能な人事的余裕」(52.2%)、「経営陣による休暇取得の勧奨」(43.5%)と続き、周りからの理解や支援が必要とされている。
  4. 所属企業に特別な休暇制度が「ない」と回答した労働者が知っている・導入を希望する制度は「リフレッシュ休暇」が最も多く挙げられている。
  5. 東日本大震災にともなった特別な休暇の導入について、回答者の約4割は「今回の東日本大震災を機に導入してほしい」(39.7%)と回答している。
  6. 所属企業に長期の病気治療のための病気休職制度が「ある」と回答した労働者は60.6%で6割近くとなっているが、利用したことがある労働者は8.6%と少ない。
  7. 犯罪被害者のための休暇制度を「知っている」と回答したのは、全体で2.8%であり、企業規模や仕事内容において際立った差は見られない。また、制度の導入の必要があると「思う」労働者の割合は44.7%と4割以上となっている。
  8. 犯罪被害者のための休暇制度の導入を必要ないと回答した理由は「既存の休暇制度で対応できるため」(60.7%)が多く、約6割となっている。

調査の詳細は、特別な休暇制度-資料にある平成25年度「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度に関する意識調査」報告書をご参照下さい。