平成23年度 アンケート調査結果

1. 調査目的

長時間労働に起因する脳・心臓疾患の労災認定件数は、近年において高水準で推移しており、依然として働く者にとって職場環境が厳しい状況にある。このような状況を変えていくために、仕事と生活の調和を推進し、労働者の疲労を回復し、健康の増進を図ることが求められている。 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に加え、ボランティア休暇、リフレッシュ休暇、裁判員休暇、犯罪被害者の被害回復のための休暇等、労働者の個々の事情に対応しつつ、事業所等において労使交渉の下で任意に設定される法定外の休暇制度(以下「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度」という。)の普及促進を図ることは、労働者の仕事と生活の調和の実現や労働者の健康の回復を図るためにきわめて有効である。 また、「犯罪被害者等基本計画」(平成17年12月27日閣議決定)においては、「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度」の一つである、犯罪等の被害者に遭った労働者が被害を回復するための休暇制度の必要性が掲げられている。 以上のことから、本事業では、労働者の健康や生活に配慮するための「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度」の普及促進のため、全国の企業・労働者における「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度」についての導入等状況・意識の在り方等の状況を把握することを目的として、本調査を実施するものである。

2. 調査対象

  • (1)企業 7,000 社
  • (2)労働者 上記企業に雇用される労働者21,000人(1社につき3人)

3. 調査時点

平成23年4月1日時点の状況について調査した。

4. 調査内容

(1)企業調査

  1. 特別な休暇制度の有無と休暇の内容
  2. 導入のきっかけと導入時の調整、導入の効果(導入済みの企業)
  3. 知っている特別な休暇と今後の導入の意向(導入済みの企業)
  4. 特別な休暇の導入効果、進めるために必要なこと
  5. 災害発生時の特別休暇の導入状況
  6. 犯罪被害者のための休暇制度について
  7. 犯罪被害者のための休暇制度の導入意向

(2)労働者調査

  1. 特別な休暇の有無と休暇の内容
  2. 導入のきっかけと導入時の調整、導入の効果(導入済み企業労働者)
  3. 知っている特別な休暇と今後の導入希望(未導入希望労働者)
  4. 災害発生時の特別休暇の導入状況
  5. 犯罪被害者のための休暇制度について

5. 調査方法

郵送によるアンケート調査

6. 回収状況

 発送数回収数回収率
企業調査7,000 社1,901 票27.2%
労働者調査21,000 人4,634 票22.1%

7. 調査結果の特徴

(1)企業調査

  1. 特別な休暇制度を導入している企業は51.0%であり、約半数の企業で何らかの休暇制度を導入している。企業規模が大きくなるほど導入率が高くなり、「300~999 人」では7割を超えている。
  2. 導入されている休暇制度は、「裁判員休暇」(52.6%)、「病気休暇」(44.8%)、「リフレッシュ休暇」(37.3%)が多い。
  3. 特別な休暇を導入したきっかけは、半数が「経営陣の発案」(54.9%)と回答している。また、特別な休暇の取得を促進するために効果的なこととして、「職場の雰囲気、上司・同僚の理解」(30.4%)、「休暇中の業務代替処理が可能な人事的余裕」(21.3%)、「経営陣による休暇取得の勧奨」(17.2%)が他の項目と比較して割合が高く、経営層、上司、同僚等の周りの理解と協力が必要と考えられる。
  4. 現在特別な休暇制度を導入していない企業において、導入を検討したい制度は「リフレッシュ休暇」(39.1%)、「裁判員休暇」(38.1%)が多い。今後制度を導入する上で大変だと思うことは「経営陣などへの説得」(36.4%)、「規定等制度の整備」(32.1%)が多く挙げられている。
  5. 特別な休暇制度の導入を進めるために重要だと思うことについて、「企業の経済的、人事的な余裕」(58.0%)が半数を超えている。
  6. 東日本大震災にともなった特別な休暇の導入について、回答企業の約3割は「導入するかどうか検討したい」(31.1%)と回答している。
  7. 犯罪被害者のための休暇制度を「知っている」と回答した企業は8.4%と低く、従業員から犯罪被害者のための休暇制度を導入してほしいという要望があった企業も0.1%と低い。犯罪被害者のための休暇制度を導入しない理由としては「既存の休暇制度で対応できるため」(52.6%)、「個別に対応する予定であるため」(50.0%)が半数以上となっている。

(2)労働者調査

  1. 所属企業に特別な休暇制度が「ある」と回答した労働者は47.6%であり、企業規模別では「1,000~4,999 人」(83.3%)、「5,000 人以上」(82.4%)の企業に所属する労働者で割合が高い。導入されている休暇の種類は「病気休暇」(43.4%)、「裁判員休暇」(41.1%)が4割以上となっている。
  2. 実際に取得したことがある休暇は、「記念日休暇」(51.1%)、「学校行事休暇」(43.6%)が多い。
  3. 特別に休暇の取得を促進するために効果的なことは「職場の雰囲気、上司・同僚の理解」が63.9%で最も割合が高く、以下「休暇中の業務代替処理が可能な人事的余裕」(45.5%)、「経営陣による休暇取得の勧奨」(45.2%)と続き、周りからの理解や支援が必要とされている。
  4. 東日本大震災にともなった特別な休暇の導入について、回答者の4割以上は「今回の東日本大震災を機に導入してほしい」(44.9%)と回答している。
  5. 犯罪被害者のための休暇制度を「知っている」と回答したのは、全体で3.4%であり、企業規模や仕事内容において際立った差は見られない。また、制度の導入の必要があると「思う」労働者の割合は45.3%と半数近くとなっている。
  6. 犯罪被害者のための休暇制度の導入を必要ないと回答した理由は「既存の休暇制度で対応できるため」(65.2%)が多く、6割以上となっている。

調査の詳細は、特別な休暇制度-資料にある平成23年度「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度に関する意識調査」報告書をご参照下さい。